会社に行くのがつらい、気持ちが重い。
「このままでは自分が壊れてしまう」と思いながらも、心療内科に行くのは大げさじゃないか、甘えなんじゃないか……。そう悩んでいる方も多いと思います。
私もかつて同じ気持ちでした。仕事のことばかり考えて、楽しみにしていた趣味すら楽しめなくなり、気づけば心が折れそうになっていました。
そんなとき、勇気を出して心療内科を受診したことで、自分を守る一歩を踏み出すことができたんです。
この記事では、私が受診を決めたリアルなきっかけと、その後に感じたことをお伝えします。
今、つらくてどうしようもないと感じているあなたの心を、少しでも軽くできればうれしいです。
※おことわり
ここに記載されている症状やその対処法等については、あくまでも私個人のものであり、すべての人に当てはまるものではありません。今、体調が悪い方も、そういう方が周りにいる方も、私の情報を鵜吞みにせず、個人個人に向き合って対処していただきますよう、お願いいたします。
心療内科に行こうと思えた背景
私が心療内科に行くことを決断できた背景には、いくつかの要素がありました。
周囲の休職経験で「受診」が特別ではなかった
私の職場はコンサル業界ということもあり、突然休職したり、職場からいなくなってしまう人が珍しくありませんでした。
仲の良い同期もメンタル不調で休職していたことがあり、「心療内科に行く」「休職する」という行為は、私にとってまったく遠い存在ではありませんでした。
むしろ「身近なこと」としてとらえられていたのです。
うつの症状を知っていたから異変に気づけた
眠れない、食欲がなくなる、気分の浮き沈みが激しくなる――。
一般的なうつの症状について、私はある程度の知識を持っていました。
だからこそ、自分の心に起きている変化が「ただの疲れ」「自分の性格」ではなく「心の不調」かもしれないと疑うことができたのです。
知識があったことで、受診へのハードルは少し下がっていたと思います。
受診のきっかけとなった異変
ただ、環境や知識があったからといって、実際に受診を決めるのは簡単ではありません。
私を本当に動かしたのは、自分の中で起きた「異変」でした。
趣味や旅行を楽しめなくなったこと
忙しい中でようやく休みをとり、楽しみにしていた趣味の旅行に出かけました。
リフレッシュできるはずだったその時間が、まったく楽しくなかったのです。
アクティビティの最中も仕事のことばかり考えてしまい、楽しくないどころかしんどい。
「おかしいな」と思いました。
楽しみが楽しみでなくなったことが、最初の大きな異変でした。
上司の言葉で心の糸が切れた瞬間
決定的だったのは、会社の懇親会で上司から「あなたはわがままだからね」と笑いながら言われたことでした。
自分の意見を正直に伝えただけなのに、その一言で「自分の頑張りは、この会社では認めてもらえないんだな。もう頑張る意味なんてないな。」と感じました。
張り詰めていた気持ちの糸がぷつりと切れてしまった瞬間でした。
受診を決めた瞬間と診断
そして、ついに「もう逃げたい」と思うほど心が限界に達しました。
泣きながらオンライン予約をした土曜日
ある土曜日、普段なら気にしないようなことを人に言われてひどくイライラしてしまい、「自分の心の反応がおかしい」と思いました。
その場で泣きながら、日曜でもやっている近所の心療内科をオンライン予約しました。
もう自分一人ではどうにもならない、このままでは自分が壊れてしまうと感じたのです。
初めての診察と「うつ病」という診断
翌日、心療内科を受診し「うつ病」と診断されました。
医師からは「休むか、業務量を減らす必要があるし、薬の服用もしたほうがいい」と言われました。
その時私は泣きながら「休むなんてとんでもない、業務量だって減らせるわけない」「薬もできるだけ飲みたくない」と医師に伝え、その場では薬の処方や診断書の発行も拒みました。
でも、帰宅して冷静になり信頼できる友人に相談したところ「休んだ方がいいと思うよ」と言ってくれました。
翌週、職場で体調を崩して心療内科を受診したことや症状などを産業医に伝えると、休職したほうがいいと言われたため、ようやく自分の状況を受け入れることができました。
その後再び受診したときは初診時よりも落ち着いて話すことができ、休職すること、診断書を発行してほしいことを伝え、薬の服用も受け入れました。
処方された薬や治療内容から考えると、比較的軽症だったのかもしれません。
結局「病名がついた」「もうあの職場から離れていい」という事実が、私にとっては大きな安心につながりました。
振り返って気づいた、感情の起伏の異常
診断を受けて改めて振り返ると、自分の感情が異常に揺れ動いていたことに気づきました。
少し褒められただけで舞い上がったかと思えば、ちょっとしたことで大きく落ち込んだり、イライラが抑えられなかったり。
睡眠や食欲には大きな影響は出ていなかった分、この感情の波こそが私の主な症状だったのです。
受診してわかったこと、変わったこと
心療内科を受診して、私の中で大きな変化がありました。
軽症でも「行ってよかった」と思える理由
「もっと重症じゃないと行ってはいけない」と思う人もいるかもしれません。
でも私のように軽症(軽症と言われたわけではありませんが)といえる状態でも、行ってよかったと思います。
専門家に相談することで「自分は今おかしいんだ」と認められたことが大きな一歩になりました。
仕事よりも大切にすべきは「自分自身」
診断を受けたことで、「仕事を頑張る」よりも「自分を守る」ことが何より大事だと実感しました。
結局、私は元の職場には戻りませんでしたが、今思えば後悔はありません。
仕事は替えがきいても、自分の心は替えがきかないからです。
病院に行くことは「逃げ」ではなく「守り」
心療内科に行くのは「逃げ」ではありません。
自分を守り、前に進むための行動です。
骨折のように外から見えるものではないからこそ、自分の感覚を大切にする必要があります。
「おかしいな」と思ったら、その直感を信じていいのです。
今つらいあなたへ
最後に、今まさにつらい思いをしているあなたに伝えたいことがあります。
他人と比べなくていい、自分の感覚を信じて
同じ状況でも「つらい」と感じる人もいれば「大丈夫」と思う人もいます。
大事なのは他人の基準ではなく、自分の感覚です。
「みんな頑張っているのに」「自分だけ甘えているのかも」と考える必要はありません。
診断があってもなくても大丈夫
受診した結果、診断がつかないこともあるかもしれません。それでも問題ありません。
診断がなければ安心できますし、診断がついたら休職や退職といった選択をするきっかけにできます。
どちらに転んでも、あなたを守るための材料になります。
受診は前に進むための大事な一歩
病院に行くことは「逃げ」ではなく「前に進む一歩」です。
つらさを一人で抱え込む必要はありません。心の中は他人から見えません。
だからこそ、自分で自分を守るしかないのです。
どうか、自分の心の声を大切にしてください。
まとめ
私が心療内科を受診したのは、正直、もう逃げたくて仕方がなかったからです。
けれど、結果的にそれは「逃げ」ではなく「自分を守るための選択」でした。
今つらくて苦しいあなたも、もし少しでも「おかしいな」と感じるなら、ぜひ受診を考えてみてください。
心療内科に行くことは、あなたを守るための、そして未来へ進むための大切な一歩になります。
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