日本人には信じられない”書いてあるのに読まない文字”が出てくる英単語たち。
英語学習者の心を折りに来る謎のスペルを3つのパターンで解説していきます!
昔は発音していた
このパターンは、昔の発音がスペルの中に残り続けている、、、いわば”化石”です。
かつてはちゃんと発音されていたのに、使われていく中で発音されなくなっていったのです。
英語は歴史の中で発音がどんどん簡略化していき、
- 発音しづらい音が消える
- 子音の連続が減る
といった変化が起きました。
一方で、スペルは大きく変わらなかったため、昔の発音を反映したスペルだけが残ったのです。
少し例を見ていきましょう。
knife /naɪf/(ナイフ)
次のknightと合わせて、許せないスペル筆頭”knife”。
なんで”クナイフ”じゃないの!!!と叫びたくなるのですが、昔は読んでいました。
古い英語では”cnif”のように書かれており、”クニフ”のような音で発音されていたと言われています。
その後、語頭の”k”の音が消え、現在の形になったようです。
じゃあスペルも変えてくれ!
knight /naɪt/(ナイト)
knifeと同じ語頭の”k”に加えて、謎の”gh”をも含む”knight”。
許せない。
昔は”クニヒト”というような音で発音されていたと言われています。
“k”はわかるけど”ヒ”って何?!
どうやらこの”gh”は、ドイツ語の”ch”(Bach(バッハ)のchのような音)と似たような、喉の摩擦音だったと言われています。
そして、やがて”k”も”gh”も消えていき、現在の/naɪt/という発音になりました。
write /raɪt/(ライト)
語頭の”w”いらんやん!のやつです。
wrongやwrist、wreckなども同じ仲間です。
古英語では「writan」と書かれ、語頭の wr- は両方発音されていました。
しかし英語の発音変化の中でw が消え、r だけが残る形になりました。
「wr は w を読まない」という形で覚えられます。
lamb /læm/(ラム)
最後の”b”何?!
comb/thumb/bombも同じ仲間です。
語末の -mb は、昔は b を発音していたと考えられていますが、発音が簡略化する中で b が落ちました。
落ちないでくれ!!
落ちるならスペルも落ちてくれ!!
half /hæf/(ハフ)
“l”どこいった?
calf/talk/walkもこの仲間です。
古い英語では l に近い音が存在していましたが、現在の英語では消えています。
特に「a のあと + l」は消えやすいと覚えると良さそうです。
ラテン語に合わせて”余計な”文字を追加
時はルネサンス期(15~16世紀)。
当時の学者たちが”英語はもともとラテン語由来なんだから元の形に戻そうぜ”と考え、”発音されない文字をスペルに復活”させ(やがり)ました。
中世の英語は多くの単語をフランス語経由で取り入れており、その時点ではすでに発音しない文字は削られていました。
それなのに、”ラテン語っぽくするために”わざわざ余計な文字を追加したのです。
許せない。
debt /det/(デット)
現在は /det/ と発音され、b は読まれません。
もともと英語に入ってきたときはフランス語経由で「dette」のような形でした。
しかしラテン語 debitum を意識してb が追加されました。
doubt /daʊt/(ダウト)
これもdebtと同じパターン。
- 中世英語:doute
- ラテン語:dubitum
・・・ 学者が b を追加し(やがり)ました。
receipt /rɪˈsiːt/(リシート)
語源はラテン語 recepta
フランス語経由で英語に入った時点でp は発音されていませんでした。
その後、語源を意識して p が追加されました。
indict /ɪnˈdaɪt/(インダイト)
見た目は「インディクト」と読みたくなる単語。
もともとはフランス語経由の形でc の発音は弱くなっていました。
その後ラテン語との関係を示すために綴りが修正されました。
subtle /ˈsʌtəl/(サトル)
この単語の b も読まれません。
ラテン語との関係を意識してb が復活したとされています。
ほかの言語(特にフランス語)の発音・綴りを取り入れた
英語は歴史の中で、特にフランス語から大量の単語を取り入れました。
その際に
- 綴り
- 発音のルール
がそのまま持ち込まれることがありました。
特にフランス語では 語末の子音を発音しないことが多いため、それが英語にも残っています。
ただし重要なのは「英語は完全にフランス語と同じではない」「単語ごとに発音は違う」という点です。
英語という、さまざまな言語の影響を受けた言語の歴史が垣間見える、これまでのものよりは納得感のあるパターンです。
ballet /bæˈleɪ/(バレイ)
日本語でも”バレエ”と言いますね。
語末の t は発音されません。
フランス語由来の単語で、英語でもかなり原語に近い発音が残っています。
bouquet /boʊˈkeɪ/(ボウケイ)
日本語でも”ブーケ”と言いますね。
この単語も t を読まない。
スペルからは想像しづらいですが、フランス語の発音がそのまま残っています。
beret /bəˈreɪ/(ベレイ)
ベレー帽の”ベレー”です。
こちらも語末の t を発音しないパターン。
ファッション関連語などはフランス語の影響が強く残りやすい。
debut /deɪˈbjuː/(デイビュー)
”デビュー”ですね。
この単語も t は読まれません。
見た目と発音のギャップが大きい単語の代表例。
buffet(名詞) /bəˈfeɪ/(バフェイ)
食べ放題の「ビュッフェ」。
語末の t を発音しない。
※ただし動詞のbuffet(打つ、打ちのめす)は/ˈbʌfɪt/(バフィット)と読みます。
これは、名詞buffetとは異なりフランス語由来ではなく、別語源と言われています。
このような”同綴異義・異音語”についてはこちらの記事で解説していますのでぜひご覧ください!
謎スペル・謎発音は英語の歴史
英語学習者を悩ませる謎のスペルや発音は、英語という言語の複雑な歴史を表しているのです。
とはいえ、学習者的には厄介であることは変わりありません。
英単語は、そのスペル・発音・意味をただひたすら覚えるだけでなく、こういった語源エピソードと一緒に覚えると記憶に残りやすくなります。
”なんやねん”と思いながら、これからも頑張って英単語と向き合っていきましょう!
ややこしい英単語を解説した記事はほかにもありますので、以下のリンクからぜひ見てみてください!


コメント