英語のリスニングをしているときに立ちはだかる”同音異義語”。
同じ音なのに別の意味を持つ英単語を、その語源から3パターンに分けて紹介します!
これとこれってやっぱり同じ発音なんだ?!というびっくりをお届けできたらうれしいです。
※おことわり
この記事で紹介する語源や変化は、一般書や英語学習用資料に基づく簡略化した解説です。
専門的な語源学では、さらに細かい断片化や地域差が議論されています。
異なる言語が混ざった結果、偶然同じ音になった
英語は、もともとのゲルマン語系の語彙に加えて、フランス語やラテン語など多くの言語から単語を取り入れてきました。
その結果、語源がまったく違う単語が英語の中で同じ発音になることがあります。
right, write, rite:/raɪt/
right
意味:正しい、右
語源:古英語 riht
write
意味:書く
語源:古英語 wrītan
rite
意味:儀式
語源:ラテン語 ritus
語源はすべて異なりますが、現在では/raɪt/ と発音されます。
pair, pear, pare:/peər/
pair
意味:一対
語源:ラテン語 par
pear
意味:梨
語源:ラテン語 pirum
pare
意味:皮をむく
語源:ラテン語 parare
英語の音変化の中で/peər/ の同音語になりました。
sale, sail:/seɪl/
sale
意味:販売
語源:古英語 salu
sail
意味:帆
語源:古英語 segel
語源は異なりますが、現在では/seɪl/ と発音されます。
plain, plane:/pleɪn/
plain
意味:平らな
語源:ラテン語 planus
plane
意味:平面
語源:ラテン語 planum
ラテン語由来の単語が英語の中で形を変え、現在では同音語になっています。
stair, stare:/ster/ または /steər/
stair
意味:階段
語源:古英語 stæger
stare
意味:じっと見る
語源:古英語 starian
発音変化により、現在では/steər/ の同音語です。
もともと異なる発音だった単語が、”音変化”によって同じ音になった
英語の歴史の中で起きた大きな変化のひとつがGreat Vowel Shift(大母音推移)です。
15〜17世紀に英語の母音が大きく変化し、もともと発音が違っていた単語が同音化しました。
ただし、同じ音になったのは大母音推移だけでなく、その後の母音統合や短化などの複数のプロセスの結果であるといえます。
meet, meat:/miːt/
meet
意味:会う
語源:古英語 mētan
meat
意味:肉
語源:古英語 mete
中英語では母音が異なっていましたが、現在では /miːt/ で同音です。
son, sun:/sʌn/
son
意味:息子
語源:古英語 sunu
sun
意味:太陽
語源:古英語 sunne
母音変化により現在では/sʌn/ と発音されます。
one, won:/wʌn/
one
意味:1
語源:古英語 ān
won
意味:win の過去形
語源:古英語 winnan
現在ではどちらも/wʌn/ と発音されます。
break, brake:/breɪk/
break
意味:壊す
語源:古英語 brecan
brake
意味:ブレーキ
語源:中英語 brake
現在では/breɪk/ の同音語です。
hear, here:/hɪr/ または /hɪər/
hear
意味:聞く
語源:古英語 hieran
here
意味:ここ
語源:古英語 hēr
現在では/hɪər/ の同音語です。
もともと1つの単語が、意味が分かれて別語として扱われるようになった
単語は長い時間の中で意味が広がります。
その結果、同じ語源を持つ単語が異なる意味で使われるようになることがあります。
これを **意味分化(semantic divergence)**と呼び、意味を区別するために、後から綴りが分かれることもあります。
これらの単語は元の単語が同じであるため、語源からイメージを覚えると記憶に定着しやすいでしょう。
flower, flour:/flaʊər/
どちらも古フランス語 **fleur(花)**が語源です。
中世英語では「flower」は
穀物の最良の部分という意味でも使われていました。
そこから
- flower → 花
- flour → 小麦粉
という意味分化が起こり、後に綴りも分かれました。
metal, mettle:/ˈmetəl/
語源はラテン語 metallum(金属)。
人の性格を素材(金属)のようなものと考える比喩から
- metal → 金属
- mettle → 気質
に分かれました。
draft, draught:/dræft/
語源は古英語 dragan(引く)。
そこから
- 飲み物を一口飲む
- 空気が流れる
- 何かを引き出す(例えば”草稿”)
などの意味に広がりました。
その後、イギリス英語とアメリカ英語の習慣の違いにより、
・ draught:イギリス英語で「draught beer(ドライ・ビール)」「a draught of air(空気の流れ)」などように使われます。
・ draft:アメリカ英語や現代一般的な文脈で、上記の意味の多くを担う形として用いられます。
両者の発音はほぼ同じですが、地域や文脈によって綴りや使い方が分かれている例としても覚えておくとよいでしょう。
(ちなみに私は”draught”という単語の発音、”draft”と同じと意識するまで全然覚えられませんでした。。。)
discreet, discrete:/dɪˈskriːt/
語源はラテン語 discretus(分けられた)。
そこから
- discreet → 思慮深い
- discrete → 別々の
という意味分化が起こりました。
cord, chord:/kɔrd/
語源はギリシャ語 chordē(弦・ひも)。
ラテン語 chorda、古フランス語 corde を経て英語に入りました。
もともとはどちらも 「弦・ひも」 を意味する単語でしたが、そこから意味が分かれました。
- cord → ひも、ロープ
- chord → 楽器の弦から転じて、和音(複数の音が同時に鳴ること)
後に、語源のギリシャ語を意識して chord という綴りが作られ、意味ごとに表記が分かれるようになりました。
まとめ
同じ音なのに全然違う意味を持つ英単語たち。
日本語にも、”台””題””代”みたいに、同じ音で違う意味を持つもの、ありますよね。
これとこれって同じ発音なんだ!と理解しておくと、リスニングをするときだけでなく、自分が話すときにも迷わず発音できるようになるのではないでしょうか。(私はdraft/draughtがまさにそれです)
英単語は無限にあるので覚えるのがとても難しいですが、同じ発音の単語を一緒に覚える、というのも、一つの覚え方としてアリなのではないでしょうか。
ややこしい英単語を解説した記事はほかにもありますので、以下のリンクからぜひ見てみてください!


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